あなた:
今日生成AIの勉強会がありました。
この中で、プロンプトエンジニアリングの話があって、あなたはプロのxxxxです。といった役割や、生成AIへの指示を細かく伝える利点についての話がありました。
ただ、自分はあまりそういったことを考えたことがなくても、期待する回答がもらえているように感じているので、その理由がなんでなかと考えています。
勉強会お疲れさまでした。
「あなたはプロの◯◯です」といった役割指示(ロール指定)や詳細なプロンプトがなくても、あなたが十分に満足できる回答を得られている理由は、いくつかの要素が重なっています。
大規模言語モデル(LLM)は、明示されていない文脈も統計的に推測しながら回答します。
会話の流れや過去のやり取りから「どんな答えが欲しいか」を推測
不足している条件を自然に補完
このため、必ずしも「あなたはプロの◯◯」と指定しなくても、一般的に妥当で役立つ答えを返せます。
Eijiさんは質問に背景や目的を簡潔に添えることが多く、
問題の焦点
期待する詳細度
使用したい言語(日本語か英語か)
が自然と伝わる形になっています。
その結果、追加の役割指定がなくても的確に解釈できます。
このチャットでは過去の会話や設定(例:日本語を基本にする、専門分野の知識など)を私が把握しています。
これにより、毎回の質問に一から説明しなくても、過去の情報を前提にした回答が可能です。
もちろん、役割指定や細かい指示が全く無意味というわけではありません。
特定の文体(論文調・営業資料風など)
出力形式(Markdown表、コード、プレゼン用スライドなど)
法的・技術的な厳密さ
こういった「形」や「精度」を強く求める場合は有効です。
理由:モデルの補完能力+あなたの質問の明確さ+会話コンテキスト
今後の使い分け:
普通の相談や調査 → 役割指定は不要
特定フォーマット・厳密な専門家視点 → 役割指定や出力形式を明示
日常的な質問では今のスタイルで十分。
必要に応じて「この回答をレポート形式で」などと一言添える程度で、プロンプトエンジニアリングのメリットを取り込めます。
なるほど、その視点はとても本質的です。
おっしゃる通り、「ステートレス → ステートフル」への進化は、いま体感している“プロンプトなしでも期待通りの応答が返ってくる”大きな要因の一つです。
かつてのモデル(例:GPT-2世代など)は単発のテキスト生成が中心で、会話履歴をほぼ持ちませんでした。
毎回の入力は独立して扱われるため、「前回の質問内容」や「会話の流れ」をモデル自身が理解することは難しかったのです。
GPT-3以降は「コンテキストウィンドウ」が急拡大し、現在では数十万トークン規模まで扱えるモデルもあります。
これにより過去のやり取りを丸ごとモデルに渡した状態で次の応答を生成できるようになりました。
さらにシステムプロンプトやメモリー機能が加わり、事実上“セッション単位の状態”を持てるようになりました。
例えばこのチャットも、過去の会話・設定(日本語優先・資格学習など)を踏まえて回答しています。
そのため、毎回「あなたはプロの◯◯です」と指定しなくても、文脈を維持した一貫性ある応答が可能です。
対話の自然さ:雑談から本題へ、目的が変わっても会話が続く。
指示の簡略化:冒頭でまとめて指定する必要が減り、日常会話に近づく。
知識活用:長い議論や検討の積み上げがそのまま反映される。
Eijiさんが感じている
“ステートレスだったLLMがコンテキストを保持できるようになった”
という変化こそ、プロンプトエンジニアリングを意識せずとも高品質な応答が得られる根本的な理由です。
つまり技術進化が「詳細な役割指示が不要な体験」を自然にもたらしたと言えます。
はい、かなり正確な理解です。
整理すると次のような関係になります。
モデル単体(推論エンジン)は単一の入力テキスト → 出力テキストを計算するだけで、
セッションや履歴を保持する仕組みはありません。
したがって**“ステートレス”**という表現は正しいです。
ChatGPTやClaude、Geminiなどは、
アプリ層で会話履歴を保存し、次の呼び出し時に履歴をまとめてモデルへ渡すことで
“ステートフルな対話”を実現しています。
つまり「前回までのやり取り」や「ユーザー設定」は
**外部の会話管理システム(セッション管理+メモリ機能)**が担っており、
モデル自体はあくまで都度バッチ処理をしているだけです。
会話の履歴保持はファインチューニング(再学習)ではなく、実行時の入力設計で解決しています。
ただし商用LLMでは以下のような追加学習が組み合わさることがあります:
事前学習+RLHF:人間フィードバックで会話向けに調整
継続学習(Fine-tuning/Domain Adaptation):特定分野や企業専用データで微調整
これらは「モデルの性格づけ」や「回答品質向上」のためで、
ステートフル化そのものの仕組みとは別です。
素のLLM=完全ステートレス(1回の入力→出力のみ)
商用サービス=履歴管理+長いコンテキスト投入で“擬似ステートフル”
ファインチューニング=主に回答傾向や専門性強化のため
Eijiさんの理解「ステートレスなLLMを商用サービスがステートフルに見せている」は、ほぼ正確です。
はい、その理解でおおむね正しいです。
ローカル環境で動かすLLM(例:Llama 3、Mistral など)をそのまま使う場合は完全にステートレスなので、以下の特徴があります。
会話履歴を自動で保持する仕組みがないため、
毎回の入力が唯一のコンテキストになります。
たとえば前の質問内容を踏まえて答えてほしいなら、
過去の発言をユーザー側で再度プロンプトに含める必要があります。
長いやり取りをしたい場合は、
会話履歴を保存して毎回まとめてモデルに渡す
ベクトルDB+RAGで過去情報を検索して差し込む
といった仕組みを自前で実装する必要があります。
これはChatGPTやClaudeが裏側で行っている「会話メモリー」と同じ発想です。
ローカルLLMを自分用にファインチューニングしても、
ステートレスのままです。
チューニングは知識や文体の強化には役立ちますが、
セッションを覚え続ける能力は別途アプリ側で設計するしかありません。
ローカルLLM=素のLLM ⇒ ステートレス
一回のプロンプト設計がより重要
長い会話をしたい場合は履歴管理やRAGなど外部仕組みで補う
つまり、ローカルでそのまま使うなら「プロンプトの中に必要な文脈をすべて入れる」か「自作でステート管理を追加する」ことが鍵になります。
そうですね、その理解で合っています。
ChatGPTのような商用サービスでは**「パーソナライズされた情報」=ユーザーがこれまでに共有した設定やメモリは、モデルそのものではなく会話コンテキスト用のデータストア**に保存されています。
データコンテキスト(メモリ)
あなたのプロフィールや以前の会話からの要点(たとえば「英語練習を毎日したい」「ITIL資格を勉強中」など)を保持。
新しいリクエスト時に、この情報がシステムメッセージとしてモデルに一緒に渡される。
LLM本体
あくまでステートレス。
セッション終了後に個人情報を覚えているわけではない。
Eijiさんが「前に話した内容を踏まえて答えてくれる」と感じるのは、
保存されたコンテキストを毎回注入しているからです。
ローカルLLMをそのまま動かす場合にはこの「データコンテキスト」が無いため、
同じ体験を得るには自分でメモリ機能やRAGを組み込む必要があります。
パーソナライズ=外部のコンテキスト管理層で保持
モデル本体は学習し直していない
ローカルLLMでは自前の保存・注入が必須
この仕組みがあるおかげで、商用サービスは「ステートフルでパーソナライズされた」ように感じられるわけです。